涙ぐんでしまう詩

何気なく開いた吉原幸子さんの詩集。
胸が苦しくなる詩が多いのですが、死について、お母さんについて書かれた詩は、読んでいて、苦しくなる、胸が痛くもなるのですが。
とても良い詩です。この詩もお母さまを想う詩ですが、爽やかに仕上がっています。
🌸🌸🌸
「光る海へ」 吉原幸子
あの日まだ
母は わらってゐた
海も 光ってゐた
青春 に疲れた娘を
もの言わず いたはるやうに
母は 海辺の宿へ連れて行った
石段の途中に 駄菓子屋があり
そのわきを かすかな硫黄の匂ひで
湯気がはしり
色とりどりの
さまざまの形の石 の浜辺
ひとつひとつが美しく 捨てがたく
娘は一日ぢゅう
波打際にかがんで石を拾った
いままた おそい青春のように
久しぶりのいたみがふりかかるとき
わたしを春の海辺へ連れて行ってくれるひとは
わたし しかゐない
🌸🌸🌸
吉原幸子さんは、お母様の老後、娘の自分を見ても分からなくなっている様子も書いてあります。
老いは、必ず何かの姿でやってきます。
祖母を看取り、母を看取り、そうしながら、自分もいつか、祖母や母のように老いてゆくのだろうと、諦めではなく、自然の摂理として諦観している風がありますが。
鋭い感性は幼少期からのようで、
読めば読むほどに、私は吉原幸子さんに共感し、また、残された作品が大好きで、時折、何度も何度も読んだ作品の活字を目で追いながら、
吉原幸子さんの生きた世界に想いを馳せます
。
お母さんを大切にしたいですね。
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