okamehachimokuのブログ

日々の日記と創作

創作・「たまにはお洒落して」No.1(他小説投稿サイトで公開済み)

okamehachimoku

 昨夜は雨降りでしたが、2週間振りでしたので、


少しお洒落して出掛けることにしました。


タクシーを呼ぼうかしら、地下鉄で行こうかしらと、迷いつつ、長い髪をシニヨンに結ったり、またほどいて、背中に流したりしている内に、気がつくと約束の時間20分前になっていて、



電話を入れておいたほうがよいのではと、
彼に電話をすると、


「あ、、雨ひどいね、、僕、今、車で向かってるとこだから、、差し支えなければ、お迎えに行くよ、、」


「ま、、ありがとう、お願いするわ、、何を着て行こうかしらと迷ってたの、」


「そうなんだ、、雨ひどいから、帰りも送るから、、、洋服、、なんでもいいだろ、」




私は意地になって、しっかりお化粧して、ドレスアップして彼の車が門から入ってくるのを待っていた。マニュキュアを塗りながら。





ホテルディナーの約束。



彼とは、月に2回ほど会う。


そんな関係がすでに3年は続いている。
彼も私も独身で、人目を気にする必要もない。


彼から数回、結婚したいという話があったけれど、私にはその情熱がなかった。
彼にその気持ちを伝えると、あっさりしたもので、


「僕達は、今の状態が合っているのかもしれない。
少なくとも、まいは、飽きっぽいだろ、、」



飽きっぽいかなと完全に納得は出来なかったけれど、彼一筋にとは考えられなかった。
彼はよくみてる。


大学時代同じゼミにいた。
しかし、私達は付き合うなどは、頭に浮かばなかった。
同い年で、彼の周りには女性が沢山いたし、また私も同じだったから、すぐそばにいて、見過ごしていた存在だった。お互いに。




互いに30を過ぎて、偶然、銀行で会った。


彼は証券マンで、私は法律事務所に勤めていて。


運命の日だったのかもしれない。
彼は仕事に行き詰まり、しょげていて、私は職場のボスとうまくいかず、転職しようかと悩んでいた。


そんな時、偶然、銀行のロビーのソファで隣り合って座っていて。


互いに、あれ??と気付いた。



夜、飲みに行こうよ!どちらが先に言ったのか、
ごくごく自然に食べて、飲んで、鬱憤を吐き出して、大人の2人だから、互いにいまだに独身であると確認して、


そのまま、朝まで。



彼は私に夢中になり、私は25歳上のボスと比べてしまい、彼の若さや強さに夢中になってしまった。


自分が求める女性にいまだに出会えないので、独身という彼。それは私も同じだった。


生涯一緒にいたいと思えるほどの情熱を傾けられる人に出会えなかったから。




昨夜、彼は、なぜか、執拗だった。


雨のせいか、時折強く叩きつけるような雨のせいか、


お迎えに来てくれて、


約束のディナーのホテルまで、少し回り道をして、


木立の中に車を乗り入れて、激しくキスをしてきた。何かあったのだろうかと訝りながら、彼に舌を強く吸われていた。


彼はしばらく、そうして、うなじや唇やはだけた胸元に黙々とキスをして、


さっと体を離すと、私のブラのホックを留めてくれて、ドレスのショルダーを肩に合わせると、


無言でエンジンをかけたのだけれど。



ローストビーフと、雲丹がメインの食事は美味しく、
ただ、話すのは私ばかりで、彼は優しく相づちを打つばかりだった。



「ね、、おかしいわ、、何かあったの?!」


「何もない。」


「おかしいわ。けんらしくないわ、、」


「何もない、、ただ、、まいに逢いたかった、
なぜなんだ? 3年付き合ってるだろ、なぜ、、いや、結婚しないとしても、


なぜ、2週間に1回しか逢えないんだ?」



「あら、、それ、私がききたいわ、、お互いに仕事が忙しいから、
2週間に1回って、けんが言ったのよ!」





「まい、きれいだな、、」


「えっ?」


「今夜は、やけに綺麗だ、ゾクッとしたよ、」


「まあ!それで、車の中でキス?」




泊まりの時、彼はアルコールを口にする。泊まれない時は、アルコールは飲まない。


お料理は美味しかった。
彼も私も、お料理はお皿をきれいに空にした。
ワインも一瓶2人で空けた。



私達は3年間、最初の夜からずっと同じホテルを使っていて、ホテルの人達はすっかり私達を覚えてしまっている様子だった。


きれいになった皿に、


ありがとうございます!と、下げながら礼を言われた。


ニコッと笑いながら、


「とっても美味しかったわ。雲丹は、抜群でした。ごちそうさまでした。」




けんはやけに私の顔をじっとみつめていて、
今夜のように髪をアップにするのが、彼の好みなのかもしれない、今まではアップにしたことはなかったから。



部屋に入ると、彼はそのまま抱き上げて、シャワーはいいから、あとでいいからと、


ベッドに運び、


今までにない執拗さで、愛してくれた。



互いに33歳になり、互いの親も2人の関係を容認している。


2人とも次男、次女で。


上は結婚して子供もいる。



気楽な2人かもしれない。


互いの親は仲良しになり、2人の結婚を望みながらも、ワガママで頑固な2人だから、好きにさせましょう!と結論したようだった。




2人の間で変化があるから、


どちらかは分からないけど、毎年歳が増えて、


心持ちが変わるはずだから、、


姉の言葉だった。


けんの兄は、


男は40になったとき、見えてないとな、、


そう言ったらしい。


33歳になる私達。





     この先どうなるのか。

よろしくね。