創作・・「律子」No.5−3(他小説投稿サイトにて公開済み)

律子は寝ても覚めても、頭の中は高宮暁でいっぱいです。
古いアルバムを探しだして暁が写っている写真を探します。
沢山ありました。
いつも、律子と暁が一緒です。
まるで兄妹のように仲良く遊んでいます。赤ちゃんの頃から、よく行き来していたようです。
暁は小さなころから色白で目鼻立ちがはっきりしていて、手足が長い。
一緒に庭にプールを出して裸ん坊で遊んでいる写真もありました。
それもこれも、小学校の3年生までです。
きっと、小学校も4年生になると、部活動があったり、塾通いなども始まって、
母達も忙しくなり、子供を連れて会うことはなくなったのかもしれないと、律子は思いました。
勉強にも身が入らなくなりました。
19歳になって初めて異性にときめいた律子です。
遅い分、激しく燃えてしまうのかもしれません。
それまで、母に与えられたモノだけで、モノに対して興味もなかった律子ですが、
お風呂に入ると自分の全身を眺め、醜くはない、でも、特別に美しいわけではないと冷静に眺めます。
そして、次の日には、メガネをコンタクトに変えて、母親に、
「お母さん、私、自分の好きなお洋服を買ってきていいでしょ、」
律子の母親は、内心喜びました。
19歳になっても、異性に興味がない、お洒落にも興味がない自分の娘が不安でしたから、ホッとしました。
思い返すと、自分は高校2年の時から、ひとつ先輩の現在の夫と、お付き合いをしていましたから、自分の娘のありように、心配していたのです。
「りっちゃん、お小遣いをあげます。
美容室に行って、それから、お洋服でも靴でも、好きなものを買ってらっしゃい。
あ、そうそう、もう、19歳ですから、彼がいてもおかしくないはずよね。
お洒落しなくちゃね。
いつ、何があるかわかりませんから、下着も素敵で可愛らしいものを買ってらっしゃい。」
とても物分かりのよいお母さんです。
律子はその後、クレジットカードも作ってもらい、お小遣いも、それまでは月に1万ほどで、ほとんど本に消えていたのですが。
それからは、月に10万貰うようになりました。
律子の母親にすると、今まで、一切お洒落もせず、遊ぶこともしなかった、また、携帯すら必要ないとする律子でしたから、困る家庭でもないので、大学を卒業するまでは月に10万のお小遣いとしたのです。
✡ 続く ✡
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